はじめての方でも楽しめる
シンプルな保存食や常備菜を
スズキエミさんに教えていただきます。
種を蒔いたものなのか、勝手に生えたものなのかは分からないけれど、裏庭の端っこにも、畑の隙間にも、夏になるとわさわさと生えていたしその葉。
そうめんを茹でるといえば採りに行き、漬物だトマトだと何かを切るたびに採りに行かされました。しその匂いの中に分け入って蚊に刺されていたのが、とても懐かしい思い出です。畑から採ってきたものは、日に当たり筋が少々硬くなっているので千切りにしたり、手でちぎるのですが、しそを触るたびに、清涼感ある爽やかな匂いが立ち上がるのです。子どもながら夏に合う匂いだな、と思っていました。
そんな思い出があるしそを今回は醤油漬けにしてみました。醤油漬けのしそ自体も楽しめるのですが、同時に「しそ醤油」ができるのが嬉しいところです。今回ご紹介する料理は、漬けたしそを使うのはもちろんですが、しその香りが移った醤油も、余すことなく使っています。実はその醤油が大事な役割を果たしているのです。醤油にしその香りが加わるだけで夏のご馳走へと変わるような気がします。
◆ 材料(作りやすい量) | |
---|---|
大葉 | 30枚 |
醤油 | 適量 |
しその風味を生かしたいから調味料は醤油のみ。シンプルだからアレンジもしやすく、少しみりんを加えたり、お好みで鷹の爪を入れるのもおすすめです。
![]() |
1. | 大葉は水に放ち15分ほど水につけあく抜きをする。 |
![]() |
2. | 水気をよく切って茎を切る。 ★水分が入ると傷みやすくなるので、できれば野菜の水切り器でしっかり水気を切ってから、さらに、さらしなどで残った水気を拭き取るようにします。 |
![]() |
3. | 清潔な保存容器に入れ、大葉が漬かるくらいの醤油を注ぎ冷蔵庫で保存する。翌日からが食べ頃。 保存期間:冷蔵庫で約3ヶ月 |
しそ醤油の風味が
しっかり感じられる1品です
①絹豆腐1丁はキッチンペーパーなどで包み軽く水気を切って4等分に切る。 ②ミニトマト4個は各4等分、オクラ2本は茹でて1cmに切る。 ③1を皿に盛り、しその醤油漬け5枚を5mm幅に切ったものと2をのせる。 ④おろしにんにく少々、しそ醤油大さじ1/2、オリーブオイル大さじ1/2をよく混ぜ合わせ、3に回しかける。
暑い時期でも時短調理で、
さっぱりといただける夏のチャーハン
①卵2個は溶いて塩適量を加え混ぜ、油大さじ1を入れ熱したフライパンでふわりとなるまで炒め、半分程度火が通ったら取り出しておく。 ②フライパンに油大さじ1/2、じゃこ10gを加えて弱火にかけ、香ばしい匂いになったら中火にし、ごはん茶碗2杯分を加え炒め合わせる。 ③2にしその醤油漬け6枚を5mm幅に切って加え、さらに1を加えて炒め合わせる。しそ醤油小さじ1も加えて炒める。
みょうがと相まって爽やかな香り。
しそ醤油とごま油の相性も◎
①沸騰した湯に塩と酒をそれぞれ適量加え、豚ロース肉(しゃぶしゃぶ用)150gを1枚ずつ入れて色が変わったらざるにあげて水気を切る。 ②みょうが1個は小口切りに、しその醤油漬け8枚は5mm幅に切る。 ③2のみょうがの半分と、しその醤油漬けを混ぜ合わせる。 ④しそ醤油大さじ1、米酢小さじ1、ごま油大さじ1をよく混ぜ合わせて3を加え馴染ませ、1も加えてさっくりと混ぜ器に盛り、②のみょうがの小口切りの残り半分をふわりと上にのせる。
文・レシピ スズキエミ
宮城県の豊かな土地に生まれる。実家は米農家。レストランなどでの勤務を経て、家庭料理家として独立。季節を感じるごはん作りを提案する料理教室「暦ごはんの会」を主宰。「時間ではなく気持ちをかけて料理」がモットー。
オンライン料理教室/ 料理家スズキエミさんが主催する「一汁一菜暦ごはん」は二十四節気を一汁一菜で巡る会です。料理の動作の音、水や火の音と季節の光や風を感じられる料理動画の配信に合わせ、塩梅や頃合いを丁寧に記載したレシピ、そして季節のお話しや、料理の思い出を綴った読みものをお届けしています。
https://koyomigohan.base.shop/本書では、春・夏・秋・冬、それぞれの季節の旬の食材を使ったジャムや漬け物や干し野菜などの保存食レシピに加え、それらを生かした献立もご紹介。どのレシピも、手順を写真付きで詳しく説明しているので、手仕事に慣れていなくても、すんなり作ることができます。