はじめての方でも楽しめる
シンプルな保存食や常備菜を
スズキエミさんに教えていただきます。
空気の中の水分がいつの間にやらすっかり抜けて、からり、かさこそとしてきた。雲は高いところに昇り、うろこ雲やすじ雲となり、空の景色がどんどん変わる。セミに変わって秋の虫が鳴き始めれば、朝露白くきらりと光る。
秋は根菜類のおいしい季節です。そのなかでも豊かな土の匂いが特徴で滋味深い味わいのごぼう。今回は、そんなごぼうを使った手しごとレシピを紹介します。ごぼうは長期保存できそうですが、意外に鮮度が落ちやすい根菜です。そのままにしておくと、あっという間にしなびてしまいますので、できるだけ早く調理することが大切です。ごぼうの味噌漬けは、洗ったごぼうをアク抜きなどせずに調味料に漬けるだけなので、忙しい時はもちろん、何を作るか迷った時にもおすすめです。
そのまま食べてもよいですし、アレンジしやすいところも気に入っています。みなさま、ぜひ作ってみてくださいね。
◆ 材料( 作りやすい分量 ) | |
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ごぼう | 2本分 |
味噌 | 90g |
砂糖(ここでは、きび砂糖を使っています) | 30g |
料理に使う場合は味がしっかりしているので、少しの調味料で味が決まるところも使いやすい理由です。炊き込みごはんにすると味噌の風味も加わり、とても秋らしいごはんになりますよ。
1. | ごぼうはたわしなどで土を落としながら水洗いする。 | |
2 | 1の水気を切り、漬け込む容器に長さを合わせて切り並べる。太いものは縦半分に切る。 ●あまり短く切らず、長めのほうがアレンジしやすい。 |
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3. | 味噌に砂糖を入れ、ダマがなくなるまでよく混ぜ合わせる。 | |
4. | 3をごぼうにまんべんなく塗る。冷蔵庫に入れて寝かせ、3日くらいからが食べ頃。食べるときは味噌を洗い流して食べやすい大きさに切る。 ●味噌が少ない?と思っても、1日経つとごぼうから水分が出て全体が漬かる。 ●保存期間 冷蔵庫で2週間 |
豆腐のコクとごぼうの風味が◎
上にのせた少しのみょうがが味のポイント
①木綿豆腐1/4丁は水切りをしておく。
②ごぼうの味噌漬け60gは味噌を洗い流して長めの乱切りにする。
③みょうが1個は小口切りにする。
④砂糖大さじ1/2、酢大さじ1/2、薄口醤油小さじ1、塩ふたつまみを混ぜあわせておく。
⑤すり鉢で白ごま小さじ1を擦り、①と④を入れてその都度擦り合わせ、②を加えざっくりと和えて器に盛り、③を上にのせる。
肉と油との相性も抜群。
甘辛い味でごはんがすすみます
①ごぼうの味噌漬け60gは味噌を洗い流して斜め薄切りにし、生姜1/2片はみじん切りにする。
②フライパンに生姜と油小さじ1を入れ弱火にかけ、香りが出たら豚ひき肉100gを加えて炒め色が変わったら醤油小さじ1、みりん小さじ1を入れ炒め合わせる。
③ ①のごぼうも加えて炒め器に盛り、粗挽き黒こしょう適量をふりかける。
牛肉ときのこのうまみが加わり、
秋の味覚いっぱいのごちそうごはん
①ごぼうの味噌漬け60gは味噌を洗い流して斜め切りに、牛肉切り落とし100gはひと口大に切り、しめじ1/2株は小房に分け、生姜1片は千切りにする。
②炊飯器に米2合と酒大さじ1、醤油大さじ1、塩小さじ1/4を入れて通常の水加減をし①のごぼう、牛肉、しめじと生姜の半量を入れて炊く。
③炊きあがったらよく混ぜて器に盛り、白ごま、青ねぎの小口切り、残りの生姜をそれぞれ適量のせる。
文・レシピ スズキエミ
宮城県の豊かな土地に生まれる。実家は米農家。レストランなどでの勤務を経て、家庭料理家として独立。季節を感じるごはん作りを提案する料理教室「暦ごはんの会」を主宰。「時間ではなく気持ちをかけて料理」がモットー。
オンライン料理教室/ 料理家スズキエミさんが主催する「一汁一菜暦ごはん」は二十四節気を一汁一菜で巡る会です。料理の動作の音、水や火の音と季節の光や風を感じられる料理動画の配信に合わせ、塩梅や頃合いを丁寧に記載したレシピ、そして季節のお話しや、料理の思い出を綴った読みものをお届けしています。
https://koyomigohan.base.shop/本書では、春・夏・秋・冬、それぞれの季節の旬の食材を使ったジャムや漬け物や干し野菜などの保存食レシピに加え、それらを生かした献立もご紹介。どのレシピも、手順を写真付きで詳しく説明しているので、手仕事に慣れていなくても、すんなり作ることができます。