はじめての方でも楽しめる
シンプルな保存食や常備菜を
スズキエミさんに教えていただきます。
残る寒さの中にふんわりとしたあたたかい風が流れ込む。遠くの方で「ホー、ホケキョ」と練習するウグイスの声。凍った川の氷の下で魚飛び跳ねて、季節は巡り、始まりの季節。
黄色く色づく春のはじまり。国産レモンは冬が旬です。年をまたぐ頃から黄色く色づき始め、春のはじまりまでが収穫時期となるそうです。そんな出盛りとなった国産レモンを使ってカードを作ってはいかがですか? レモンカードはイギリス発祥のスプレッドになります。レモンのきゅっとした酸味があるカスタードクリームのようなもので、いつも春の始まりに作っています。元気をもらえる明るい黄色に、爽やかなレモンの香りがこの季節にとても合うような気がしています。
酸味はありますが、生クリームなどと合わせると子どもも喜んで食べてくれますよ。春の始まりの味、みなさまぜひ楽しんでくださいね。
◆ 材料( 作りやすい分量 ) | |
---|---|
レモン | 2個(果汁で約100cc) |
卵 | 2個 |
グラニュー糖 | 100g |
バター(無塩) | 100g |
わたしはパンやパンケーキなどにたっぷりのせて食べるのが好きです。ミルクアイスにかけて食べるのもおすすめ。お菓子作りが得意な方であれば、パイやケーキに仕立てるのもよいですね。
![]() |
1. | レモンは1個分の皮をすりおろし、横半分に切って搾り器で2個分の果汁を搾る。 |
![]() |
||
![]() |
●果肉部分に十字に切れ目を入れると搾りやすい。 | |
![]() |
2. | バターは1㎝角に細かく切っておく。 ●あとで湯煎するので、溶けやすいように切っておく。 |
![]() |
3. | 卵は黄身と白身が混ざるまでボウルで溶きほぐし、レモン果汁を入れる。 |
![]() |
4. | ヘラなどを使って3をザルで漉す。 |
![]() |
||
![]() |
5. | 4にグラニュー糖を加えてよく混ぜ合わせる。 |
![]() |
6. | 5を約70℃の湯煎にあて(水を一度沸騰させて弱火にするとだいたい70℃になる)、弱火にしたまま2のバターを加えて混ぜ合わせる。 ●湯煎の鍋底には、さらしを敷き材料の入ったボウルが直接火にあたらないようにする(直接ボウルが火にあたると湯温が100℃くらいになり分離しやすくなる)。 |
![]() |
||
![]() |
||
![]() |
7. | 写真のようにヘラを使うと道(スジ)ができるくらいとろりとなるまで混ぜ合わせる。全体につやが出て、黄色が濃くなってきたらボウルをはずし、最後にすりおろしたレモンの皮を加え馴染ませる。 |
![]() |
8. | 粗熱がとれたら清潔な保存瓶に入れ冷蔵庫で保存する。 ●保存期間 冷蔵庫で5日間 |
文・レシピ スズキエミ
宮城県の豊かな土地に生まれる。実家は米農家。レストランなどでの勤務を経て、家庭料理家として独立。季節を感じるごはん作りを提案する料理教室「暦ごはんの会」を主宰。「時間ではなく気持ちをかけて料理」がモットー。
オンライン料理教室/ 料理家スズキエミさんが主催する「一汁一菜暦ごはん」は二十四節気を一汁一菜で巡る会です。料理の動作の音、水や火の音と季節の光や風を感じられる料理動画の配信に合わせ、塩梅や頃合いを丁寧に記載したレシピ、そして季節のお話しや、料理の思い出を綴った読みものをお届けしています。
https://koyomigohan.base.shop/本書では、春・夏・秋・冬、それぞれの季節の旬の食材を使ったジャムや漬け物や干し野菜などの保存食レシピに加え、それらを生かした献立もご紹介。どのレシピも、手順を写真付きで詳しく説明しているので、手仕事に慣れていなくても、すんなり作ることができます。