はじめての方でも楽しめる
シンプルな保存食や常備菜を
スズキエミさんに教えていただきます。

即席しば漬け

即席しば漬け

草木の緑濃くなれば、抜ける風にも緑が映る。水分を蓄えて上昇していく雲を遠くから眺め、日差しの強さに目を細めた。近所の畑は夏の野菜が競うように背を伸ばし葉を広げてる。その葉っぱの隙間に青く小さな実がぴかぴかと空に向かって光っている。

きゅうりになす、みょうがが揃ったらしば漬けを作ってみませんか。本格的なしば漬けとなると少々腰も重くなりますが、即席であれば、あっという間に仕込みも終わります。思い立ったらすぐに作れるのが良いところです。このしば漬けのポイントは梅酢を使うところ。梅干しを漬けている方であれば必ずできる梅酢。貯蔵庫の奥で眠っている方も多いのではないでしょうか?

冷蔵庫で馴染ませた即席しば漬けは、そのままサラダ感覚で食べるのはもちろんですが、料理にも展開しやすいので、夏の間は欠かさず冷蔵庫に入れておきたい漬物です。

◆ 材料( 作りやすい分量 )
なす 2本
きゅうり 2本
みょうが 2本
大葉 8枚
白ごま 小さじ1
A 梅酢 大さじ3
(ここでは「白梅干し」の梅酢を使っています。赤い梅酢でも)
A 薄口醤油 大さじ1
◆ ひと口メモ

梅酢は風味もあり酸味と塩味のバランスがよいのと、防腐効果もあるので、夏のこの時期にぜひ使ってみてください。お持ちでない方は、たたいた梅干し1個と米酢大さじ3を合わせたもので代用してもよいかと思います。

◆ 作り方
即席しば漬け 作り方 1. なすは縦半分に切り2mmの薄切りに、きゅうりは小口切りにする。
即席しば漬け 作り方
即席しば漬け 作り方 2. 1は、それぞれ立て塩につけて15分ほどおき、手でぎゅっと搾って水気を切り一緒にボウルに入れておく。
●立て塩とは、塩を溶かした水のこと。水1カップ(200cc)に塩小さじ1ほどを入れて溶かす。立て塩をすることで均等に塩がまわりやすくなり、水分がある程度抜けしんなりとする。
●ふきんやペーパーを使って強く搾ると、きゅうりやなすに穴があいてしまうので手で搾るのがちょうどよい。
即席しば漬け 作り方
即席しば漬け 作り方
即席しば漬け 作り方 3. みょうがは小口切りにし、Aと馴染ませておく。
即席しば漬け 作り方
即席しば漬け 作り方 4. 2のきゅうりとなすに白ごまを入れ、さらに大葉を適当な大きさにちぎって加える。
●大葉は表面を上にしてちぎると香りが立つ。
即席しば漬け 作り方 5. 4に3を加えてさっくりと混ぜ、冷蔵庫で30分ほど馴染ませる。
●保存期間 
冷蔵庫で1週間
即席しば漬け 作り方

即席しば漬けのアレンジ

しば漬け奴

しば漬け奴

ごま油で炒ったじゃこがアクセント。
副菜やおつまみにぴったり

◆ 2人分

①木綿豆腐1/2丁は水切りし、食べやすい大きさに手でほぐす。
②即席しば漬け30gは軽く搾って粗く刻み、米酢小さじ1/2で和えておく。
③ごま油大さじ1/2とじゃこ10gをフライパンに入れ、カリッとするまで弱火で火を通す。
④ ①の豆腐に②の即席しば漬けと③のじゃこをのせて醤油適量をまわしかけ、混ぜながらいただく。

しば漬けチャーハン

しば漬けチャーハン

少し火の通ったしば漬けがおつな味。
納豆も入ってボリューム満点

◆ 2人分

①即席しば漬け50gは軽く水気を搾っておく。卵2個は塩少々を加え溶きほぐし、フライパンに油適量を入れて炒め半熟卵を作り取り出しておく。
②フライパンにごはんを茶碗2杯分入れて炒め合わせ、醤油小さじ1を加え、混ぜ合わせた納豆2パックと①を加えて炒める。
③さらに醤油小さじ1を加えて炒め、塩少々で味を整える。器に盛り、粗挽きこしょう適量をかける。

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しば漬け和え麺

しば漬け和え麺

具材が麺によくからんでしゃきしゃき!
暑さで食欲のないときにもおすすめ

◆ 2人分

①トマト小1個と軽く水気を搾った即席しば漬け50gを粗みじん切りにする。
②そうめん3束〜4束は茹でて器に盛りその上に①とライトツナ缶80g、大葉6枚を千切りにしたものをのせる。
③ ②の上にめんつゆ大さじ3、米酢大さじ1、ごま油大さじ1、味がたりなければ醤油小さじ1を混ぜ合わせたものをかけ、よく和えていただく。


スズキエミさん

文・レシピ スズキエミ
宮城県の豊かな土地に生まれる。実家は米農家。レストランなどでの勤務を経て、家庭料理家として独立。季節を感じるごはん作りを提案する料理教室「暦ごはんの会」を主宰。「時間ではなく気持ちをかけて料理」がモットー。

書籍/ 季節を味わう手仕事レシピ

ー ラクに作れてずっとおいしい保存食のある暮らし ー
季節を味わう手仕事レシピ

本書では、春・夏・秋・冬、それぞれの季節の旬の食材を使ったジャムや漬け物や干し野菜などの保存食レシピに加え、それらを生かした献立もご紹介。どのレシピも、手順を写真付きで詳しく説明しているので、手仕事に慣れていなくても、すんなり作ることができます。

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