らでぃっしゅぼーや

今週の畑だより

農産担当者による産地密着コラム

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とうもろこし生産者を悩ます「不稔」「しなび」

 今シーズン、とうもろこしはもう召し上がりましたか?沖縄、九州から始まり中部~関東へと産地をリレーし、8月後半からはアンカーの北海道へ。シーズンもいよいよ終盤に差し掛かってきました。

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とうもろこし畑

 とうもろこし生産者の朝は早いです。まだ日が昇らないAM4時頃から収穫作業が始まります。これは光合成が関係しています。日中気温が高くなると、実を成長させるための光合成が活発に行われます。夜になると日中の光合成で得たエネルギーが糖分として蓄えられるため、朝方が最も収穫に適した糖度のある時間帯とされています。そんな早朝からの収穫に、生産者には頭が下がる思いですが、収穫時間は2~3時間程で終えてしまうとのこと。とうもろこしで大変なのはここからなのです。
 収穫後は糖度が急激に落ちるとうもろこしは、鮮度が大事です。早朝収穫したとうもろこしはその日のうちに出荷しますが、その間には選別・検品作業があり、ここで不良などを1本1本チェックしていきます。この作業に一日の大半を費やすそうで時間と労力が掛かっています。

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きれいなとうもころこし

 品質不良で多いのが「不稔(ふねん)」と「しなび」です。とうもろこしの受粉が不十分だった際に、先端に実がついていないものができてしまいます。これを「先端不稔」と呼びます。先端の実の詰まりを触り、ちょろっと皮をめくり1本1本確認していきます。

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先端に実がつかない先端不稔

もう一つが「しなび」。完熟を超えて過熟になると、糖分がデンプンに変化し水分が少なくなり粒がへこんでしまいます。そうなる前にもっと早めに収穫すればよさそうに思えますが、とうもろこしの収穫適期は3日と短く、見極めが難しいのです。早く採りすぎると甘みが足りないとうもろこしとなり、完熟を逃すと過熟でしなびが発生します。1日で状態が変わってしまうというから驚きです。しなびは産地で皮を剥いて確認したいところですが、剥くと鮮度が下がってしまうため確認する事ができず、生産者の頭を悩ませます。

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粒がへこんでしまう、しなび

 収穫適期が短く、収穫後の作業に手が掛かるとうもろこし。今日も生産者は畑に入り1本1本とうもろこしと向き合っています。シーズン終盤のとうもろこし、ぜひお楽しみください。

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