めぐる野菜箱プレゼント
桃の枝お届けまでのストーリー
紀の芽の会(和歌山県)・
山梨一宮大地(山梨県)
三寒四温の春先のような不安定な気候が続くなか、今年も桃の節句の季節がやってきました。
毎年この時季はめぐる野菜箱をご利用のお客様に、あるプレゼントをお届けしています。もう20年以上の恒例企画となりました、「桃の枝」です。
つぼみが付いた枝をお届けし、お客様の家で咲かせていただくというプレゼント。日本の季節行事を、自然の桃の花を愛でながらほっこりと過ごしていただければ、そして産地とのつながりを感じていただければという想いで始まりました。
お客様のもとで、きれいに咲いた桃の花。咲かないこともありますが…
しかし、なにぶん自然のもの。なかなか上手く進まないこともあったりと、毎年バタバタと奔走しています。
毎年2万数千本の桃の枝を出荷してくれるのは、紀の芽の会の蓬台(ほうだい)さん。桃の枝プレゼントが始まったときから、ずっとお世話になっています。
紀の芽の会の蓬台さんご夫婦。トマトやなすを出荷されています
しかしここ数年は、体力的なことや家庭の事情で農業自体も縮小しています。そんななか、少ない人手で何とか続けてもらっている状況です。
今年も「そこまで量は出荷できないかも」と連絡がありましたが、最終的にはお手伝いの方がきてくださり、何とか例年通りの本数を用意してもらえました。来年も継続できるかは、不透明な状況です。
矢口桃の花はきれいなピンク色
蓬台さんは、食用の桃ではなく「矢口桃」という鑑賞用の花桃を栽培しています。花桃を収穫後にムロに入れ、温度と湿度を高めて花が咲きやすいように調整してくださっています。そのおかげで開花率がとても高く、お客様からも「咲いた」報告をたくさんいただくことができています。
お客様からインスタグラムで開花報告も
今後も無理の無い範囲で、続けていただけるようにらでぃっしゅぼーやとしても協力していきたいと思っています。
しかしそんな状況のなか、いつまでも蓬台さんだけに頼りきりではいけない!と、スタッフによる枝集めも、昨年から始めました。
2月16日、山梨県の桃の生産者である久津間さんが属する山梨一宮グループに、スタッフ25名でお邪魔してきました。
山梨一宮グループの桃畑へ、枝集めに訪問!
桃はこの時期は葉が落ちている状態ですが、枝に日光を浴びてやや赤っぽく熟して来ます。そんな充実してパワーを溜めた枝を見極めてちょうど良い長さに切って箱に詰めていく作業を行いました。
太陽を浴びて、赤く熟した桃の枝
あらかじめ生産者が剪定作業で切った枝のかたまりが畑の各所に置いてあり、そこから拾い集めていく単純作業なのですが…
☑ちょうどよい長さ・太さ
☑ちょうどよい枝の熟し加減
☑つぼみがついている
これらを1本1本見極めて行く必要があり、慣れていない私たちにはなかなか難しいところ。時間が経って段々焦ってくるとつい雑に作業しがちになりますが…。
1本1本見極めて集める、地道な作業
「自分がもらったら嬉しいと思える枝を集めよう」
とみんなで声をかけあいながら、全部で10800本の桃の枝を集めることができました!
ちょうどいい長さにカットし続け、手が痛くなりました
箱に入れて出荷ステーションへ送ります
作業後に残った枝たちをまたみんなで拾い集め、これはその後炭にして畑にまくことで、循環しておいしい桃の実につながっていきます。
残った枝は焼いて炭にして畑に還します
そんな自然の循環と営みを感じながら、生産者の栽培のこだわりや日常についての話を聞き、作業しながら交流できた事はとても貴重な時間となりました。
桃の枝はめぐる野菜箱にプレゼントとして入りますが、残念ながら全てのお客様にお届けできるだけの量ではなく、お届けできないお客様もいらっしゃいます。
また、すべての枝の花が咲くわけではないので、「咲かなかった」という声をいただくこともあり、その点心苦しいところがありますが、これも自然のものなので、どうかあたたかい目で見守っていただけると幸いです。
小さな枝の1本ではありますが、そんな思いが込められているこの桃の枝に、春の訪れを感じていただけたら嬉しい限りです。
ご感想をぜひお寄せください
▼下記フォームからどうぞ!▼