国産びわを襲う害虫被害
6月の旬の果物として毎年ご好評いただいているのが、国産のびわ。びわの木は「大薬王樹(だいやくおうじゅ)」とも呼ばれ、葉、実、種など様々な効能があると昔から重宝されてきました。しかし今、そのびわが危機的な状況に陥っています。
らでぃっしゅぼーやでは、和歌山県と奈良県にびわの生産者がいます。果実へ丁寧に袋がけをして大切に育てていますが、近年「ビワキジラミ」という小さな虫の被害が拡大し、深刻な被害が出ています。これまでは存在が確認できていなかった害虫で、2012年にはじめて国内で発見されました。四国を中心に生息域が拡大しており、紀伊半島のびわ産地でも、ここ数年で被害が急速に広がっています。
ビワキジラミ自体は体長3mm程度の小さな虫ですが、排出する甘露の様な物質が黒ススの原因となり、果皮を黒く汚してしまいます。これにより商品価値が著しく失われます。皮を剥けば中身に影響はないのですが、やはり外観が黒っぽく汚れてしまうと市場に出すのは厳しくなります。さっと拭き取れればよいのですが、びわの果皮はとてもデリケートなので慎重に作業する必要があり、作業にも限界がありなかなかすべてを取り除くことはできません。影響のひどい地域は収穫の半分以上を捨てざるを得ない状況になっています。各県、産地でも様々な対策を行っていますが、被害は増加傾向。生産者が栽培をやめてしまうケースもあり、このまま解決方法が見いだせない場合、国産びわの将来が危ぶまれます。
らでぃっしゅぼーやでお届けするびわについても、果皮の黒ススなどなるべく対処していますが、軽微なものはお届けいたします。皮をむけばおいしくお召し上がりいただけますので、どうかご理解頂ければと思います。
まだ手探りですが、効果的な対策など試行錯誤して対処していければと思います。