らでぃっしゅぼーや

今週の畑だより

らでぃっしゅぼーや農産担当による
畑の"今"を届ける産地密着コラム

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とうもろこし栽培は花粉との闘い!
~ティエラス(愛知県)~

徐々に日が長くなり、陽気な気候に心身がほぐされる一方、目鼻が悲鳴をあげています。花粉症です。同じように春を喜びきれない方もいらっしゃるのではないでしょうか…。

とうもろこし栽培は花粉との闘い
花粉症で苦しんでいると思い出されるのが、愛知県の南東部、渥美半島のとうもろこし。渥美半島では、6月初旬から7月初旬までとうもろこしが収穫されますが、収穫直前の5月に畑を訪れると、とうもろこしが実をつけようと一生懸命に花粉を飛ばしています。

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上の雄穂から花粉が飛び、雌穂がキャッチする仕組み

とうもろこしは、雄しべと雌しべが離れたところにある珍しい野菜です。一番高い所に雄穂がススキのように開き、そこからこぼれ落ちる花粉を、雌の穂がキャッチして受粉します。とうもろこしの粒ひとつひとつが、受粉した実。実成りをよくするには、花粉をしっかり飛ばす必要があるのです。

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葉の上にたまっているのが花粉

とうもろこし産地である渥美半島は花粉が充満しているため、目が真っ赤になり鼻水が止まりませんでした。ティエラスの津田さんは、毎日薬を欠かさず、顔を覆うほどのマスクとゴーグルを身に着けて畑に出ます。

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左からティエラスの清水さん、原さん、津田さん

本人は万全の対策をしながら「そんな様子じゃ渥美半島の担当は勤まらんぞ」とくしゃみが止まらない私をあたたかくフォローしてくれたのは、よい思い出です。

6月のお届けに向けて、栽培は2月から!
とうもろこしの生育期間は約90日。品種によって多少前後しますが、渥美半島では6月の出荷に向けて、まだまだ寒さが続く2月後半から栽培が始まっています。

渥美半島では、九州産の出荷が始まり関東産が本格化するまでの端境期を狙って「トンネル栽培」という方法を用います。

畑の畝(作物を育てるために土を盛り上げた細長い区画)ごとに簡易的なハウスを作り、外気よりも温かい状態にすることで生育条件を整え、関東より早い出荷を目指します。

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畝ごとに簡易的なハウスを作る「トンネル栽培」

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外気から守られた苗は、夏に向けてスクスクと成長していきます

このトンネルを作るのは、まさかの手作業!広大な面積を人の手で行うため、目が回る忙しさです。とうもろこしに加えブロッコリーなど他の品目の収穫もあるため、2~3月の訪問はやめてくれと断られることも。

とうもろこしは初夏の野菜ですが、種まきは寒さの厳しい2月から作業が始まっています。担当になってから驚いたことの一つです。

畑だよりを書きながらティッシュを鼻に詰めていますが、太陽の恵みをいっぱい浴びて育った、甘くみずみずしい渥美半島のとうもろこしを想像すると、辛さもやわらぐ気がします。お届けをどうぞお楽しみに!

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