「おいしいりんごを届けたい」
試練の“地球沸騰化時代”
試練が続くりんご栽培のいま
関東・東海で記録的な暑さとなった7月某日、青森県津軽平野へ産地訪問に行ってきました。
久しぶりの東北。新幹線を降りると、体がすっと軽くなるようなさわやかな風が気持ちよく、やはり少し気候か違うものだなと実感します。在来線に揺られて弘前市へ向かいます。りんごの代表品種「ふじ」が生まれた藤崎町を通り、車窓はりんご生産量日本一の津軽平野に。圧巻のりんご畑に感動を覚えました。
まずは長らくらでぃっしゅぼーやを支え続けてきてくれた新農業研究会の佐藤さんのりんご畑へ。
近年のりんごは残念ながらあまりいいニュースがありません。昨年は、日焼けや干ばつによる着色不良や落果による大不作。規格外で出荷できなかったものも多く、非常に厳しいシーズンでしたが、今期も主力の「ふじ」の調子が芳しくありません。
これから大きく、色づいていくりんご
開花時期の天候不良で実の数が少なく、梅雨明けと同時に猛暑と熱波が心配されます。昨年同様りんごの日焼けが懸念され、暖冬の影響で越冬した害虫対策にも手間とコストがかかるという厳しい試練が続きます。
昨年多く発生した、りんごの日焼け
それでも「おいしいりんごを届けたい!」と佐藤さん。人気のりんごの特徴や会員さんの喜びの声など、前向きな意見交換ができました。りんごの流通は”地球沸騰化時代”のいま、価格やお届け基準などを見直しせざるを得ない大きな転換期にあります。お客さまにもご理解いただけるように、生産者の声と実状をしっかり伝え続けます。
新農業研究会の佐藤さんご家族
甘さとうまみが期待大!メロンとすいか
つがる市のメロン・すいか生産者高橋さんの畑も訪ねました。本業は苗農家で、地域の農家から苗作りを任され販売も行っています。そのため品種特性や栽培方法に詳しく、非常においしいメロンとすいかを栽培してくださいます。
おいしいすいか、メロンの作り手高橋さん
稲わらが敷き詰められて整備されたすいか畑
有機質の土壌づくりをし、稲わらを敷いて1玉1玉丁寧に仕上げている畑には美しさがあります。
甘く実ったすいかは、害獣に狙われることも
真夏の暑さも心配ですが、怖いのは集中豪雨と獣害。特に獣害は、アライグマなどの小動物や熊やイノシシなど人的被害も怖い動物達に悩まされています。高温で山にエサが少ないのか、人里に降りてきて畑を荒らします。熊は特に恐ろしく、私もびくびくしながら周りを見渡してしまいます。
今のところ、これからお届けするメロンやすいかは順調です。初夏の寒暖差もあり、甘さとうまみが濃厚になりそうで期待大。何事もなく出荷できますように!と願っています。
メロンの下には実を守るクッション。大切に育てられています
今年も危険な暑さが続きそうです。高温や豪雨は栽培環境を大きく変え、今までにない農作物への被害が懸念されます。お届け内容に偏りや規格の変更などもあるかもしれませんが、継続的に生産者を支援していくためにも、ご理解いただけますとありがたいです。
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