大寒波で島原のじゃがいもに打撃
~産直南島原・ながさき南部生産組合(長崎県)~
長い寒波が居座り全国的に寒い2月となりました。日本海側では記録的な大雪で物流も大荒れに。晴れ間が続いた首都圏では感じにくいですが、この寒さは夏の超高温にも匹敵するほどの異常気象で、全国から農産物への影響が報告されてきています。

そんななか、冬野菜の大産地長崎県島原半島でデジマ(じゃがいも)を栽培する、産直南島原の林田さんの畑を訪問してきました。
じゃがいもを襲う寒波の影響
デジマは、じゃがいも生産量全国3位(※1)の長崎県で改良され、60年以上の歴史がある島原の代表品種です。
しっとりとした肉質と甘み、味の濃さが特徴で、暖かい地方で栽培されるじゃがいものなかでも”最もおいしい品種”という人も。

一方で、収穫効率がよい品種に切り替える生産者も年々増加しています。
それでも林田さんはデジマにこだわり数十年守ってきました。そんな林田さんも「こんな寒さや雪は初めて。畑の中のじゃがいもが凍っちょる」と今年の寒さに苦悩しています。

産直南島原のデジマ生産者、林田さん
土中のじゃがいもが深部まで凍ってしまう凍傷のような症状。収穫後にじわじわと解凍が進み、中から傷みや腐りが出てしまいます。

出荷前に総出で検品していますが、何トン捨てることになるかわからない…と異常事態に頭を抱えています。

検品ではサイズ選別をしながら傷みや緑化がないかなどを確認

凍結で弾かれてしまったデジマ。例年は殆どこのようなことは無いとのこと
5月の新じゃがいもの登場まで一時的なじゃがいも不足が懸念されます。
異常気象に立ち向かう後継者も育成中!
林田さんのグループは全7名。20代の息子さんたちも父の背中を追い、島原のじゃがいものおいしさを広めるべく、高校を卒業してすぐに就農。
後継者不足が深刻な農業界でも、島原では
「農業はかっこよくてしっかり稼げる職業」
として、おいしさや環境により配慮した農業を続ける土台が盤石です。
異常気象にも立ち向かい、次世代につなげる想いを感じました。

5月から出荷予定の新じゃがいも畑。後ろに見えるのは有明海

産直南島原のみなみちゃん(ヤギ)は、事務所や駐車場の除草担当だそうです
寒波でおいしさが増す野菜も
一方で寒波のよい影響も。寒さでじっくり色づき、糖度を蓄えたいちごやトマトは一段とおいしさが増しています。

続いて訪問したながさき南部生産組合のいちご生産者辰田さんは、生育が遅れていた分「3月には量も増えてきてぐっとうまみもある!島原の大地が育てた恵みを味わってほしい」と太鼓判を押してくれました。

ながさき南部生産組合いちご生産者の辰田さん

春の恵みは寒さを乗り越え、厳寒のなか1日中農作業をしてくれる生産者たちの努力の結晶。
春風と共に少しずつ顔ぶれが変わる、この時期ならではの味わいをぜひお楽しみください。