らでぃっしゅぼーや

今週の畑だより

らでぃっしゅぼーや農産担当による
畑の"今"を届ける産地密着コラム

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沖縄かぼちゃを襲うウィルス被害
~真南風(沖縄県)~

関東では10年ぶりに春一番が吹かなかったとか。各地で雹(ひょう)や霰(あられ)が観測され春雷も多く、例年よりも不安定な4月でした。そんななか、一足先に夏の陽気を迎えて出荷のピークを迎える沖縄県を訪問してきました。

石垣島と宮古島は、らでぃっしゅぼーや春の果菜類の主力産地。南国の温暖な気候や離島ならではの農業で、らでぃっしゅぼーやを長く支えてくれています。

しかし近年は温暖化や気候変動などのさまざまな環境変化で、栽培の様子が変わってきています。

「かぼちゃでもパインでも日本一!」
この時期、特に沖縄から多く出荷されているのが、かぼちゃ。生産者グループ真南風(まはえ)の平安名(へんな)さんは、畑だよりにもよく登場している一大パイナップル農家ですが、パイナップルの収穫前の時期は、実はかぼちゃも育てています。

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パイナップル農家の平安名さんですが…

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パイナップルの前にはかぼちゃも栽培!一面に広がるかぼちゃ畑

パイナップル栽培で使う保護シートや赤土を、かぼちゃ用に改良して活用。栗のようなほくほく食感で甘さのある石垣島ならではのかぼちゃです。

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「かぼちゃでもパインでも日本一!」を合言葉に、65歳になった今も毎年進化を続けています。が、今年は例年以上に苦しめられる事態が…。

ウィルス性のかぼちゃ病害が拡大
石垣島は離島の中でもアブラムシなど害虫の住処となる森林が多い島です。今年は特に害虫の食害から発生する「モザイク病」が急増。生産者の間ではバイラス(ウィルス)病とも呼ばれます。

しかも、ある程度成長しないと被害がわからないのも辛いところ。手塩にかけて育てた後に、奇形果や傷みが出ます。

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モザイク病で奇形になってしまったかぼちゃ

農薬を控えた栽培をしている平安名さんのかぼちゃも多くが廃棄となりました。宮古島や他地域でも被害が拡大しており、非常に悩ましい問題です。

がっくりと肩を落とすことになりましたが、4月に春作に変わってからは被害が軽減し、ようやくきれいなかぼちゃが収穫できるように。と思ったら、もうパインの出荷が目前です。

収穫までもうひといき!パイナップル畑の様子

もう、寝る間もないよ…と漏らす平安名さんですが、畑で生き生きと育つパインとかぼちゃを、笑顔で見せてくれました。

いつもあたたかく迎えてくれる平安名さん、その笑顔にファンも多い素敵な生産者です。いつまでも元気でいてほしい、と別れが寂しくなりながら、石垣島を後にしました。

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パイナップルは順調です!

最後に、30周年を迎えた真南風。代表の坂本さんより、らでぃっしゅぼーやのお客様にメッセージをいただきましたのでお届けします。

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真南風代表坂本さん

『真南風は今年8月に創設30年を迎えます。創設前に石垣島のサンゴ礁保全運動として行っていたもずくの販売開始からは40年が経ちます。様々な時勢の変化のなかで現在まで真南風が成長できたのは、誇張ではなく、らでぃっしゅぼーやの会員様に育てていただいたことに他なりません。今後も真南風が選ばれる存在であり続けるよう生産者一同努力を続けてまいります。』

一致団結。ベテラン生産者や若手・新しい仲間、みんなで厳しい局面を乗り越えられるように、本当の持続可能性に向けてこれからもずっと向き合っていきます。

パイナップル写真館

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まだまだこれから、赤ちゃんパイン

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果実の下から横向きに出ている「えい芽」は、次のパイナップル栽培の苗となります

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パイナップルの花言葉は「完璧」「完全無欠」。小花が集まりひとつの完全な果実を形成することから

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