らでぃっしゅぼーや

今週の畑だより

らでぃっしゅぼーや農産担当による
畑の"今"を届ける産地密着コラム

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原木しいたけ、冬人参…熊本県の生産者を訪ねて
~下條きのこ園・水の子会(熊本県)~

下條きのこ園~阿蘇山の恵みが育む原木しいたけ
10月下旬、熊本県の産地を訪問してきました。最初に訪ねたのは、阿蘇山のふもとに位置する南小国町の下條きのこ園、下條さんです。

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下條きのこ園の下條ご夫妻

ご祖父の代の60年前から「原木椎茸には水が大事」と、水資源豊かな中原川(なかばるがわ)沿い上流で栽培をしています。標高500mの冷涼な気候と豊かな自然に囲まれ、昔から椎茸栽培が盛んな地域でしたが、現在は数軒が残るのみ。原木栽培は時間と労力が掛かることから、全国的にも生産者、生産量ともに減り続けています。

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阿蘇山の北側を流れる中原川(なかばるがわ)

椎茸栽培において寒暖差が大きいことは利点でもあり、急激な気温の変化は収穫時期に影響し、管理が大変です。

以前は気温30℃を超えることは稀でしたが、今や標高500mにも関わらず35℃を超えることも!2週間全く収穫できなかったり、急に収穫量が増えたりと、近年の気候変動には頭を悩まされています。

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種菌を打ち込んだ後、椎茸を安定して発生させるためにここで原木を水に浸します

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きれいに組まれた原木。上にある黒いヒラヒラとしたものは、遮光のため

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直射日光が当たってしまった部分からは、椎茸が発生できなくなるそうです

そんな下條さんが目指すのは

「しいたけ嫌いな人が、もっと嫌いになるしいたけ」

とのこと。一体どういうことかと聞くと、風味も食感も、もっとしっかり椎茸らしい椎茸を食べてもらいたい、ということでした!秋のイメージが強いきのこ類ですが、原木椎茸は「1〜4月ごろが、最もしっかりとして肉厚です!」と下條さん。しいたけ嫌いな人がもっと嫌いになるしいたけ、食べてみたいですね。

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原木に含まれる微生物や栄養が取り込まれ、しいたけ本来の豊かなうまみと深い香りが凝縮!

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1本あたり10kgもある原木を手作業で運ぶ下條さんの腕は筋肉隆々!

水の子会~夏の猛暑と台風を乗り越えた人参
続いて、熊本市に隣接する菊陽町で人参を栽培する水の子会の大竹さんの元へ。熊本の秋冬人参は8月後半〜9月頭に種を撒き、12月に収穫を迎えます。近年悩まされているのが、夏の猛暑と台風。

一昨年は種が流されないよう台風後に種蒔きをしましたが、低温の影響で生育が鈍化。化成肥料を使えば生育が追い付きますが、有機栽培の場合はじっくりと生育するため、タイミングが重要で難しいのです。

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水の子会、大竹さんの人参畑

猛暑で発芽しなかったり、芽が出ても焼けたり、虫に食べられたりして、夏の人参栽培は極めて過酷です。

「今年の夏は全然雨が降らなくて、毎日水やりはしたけど難しいなぁ」と大竹さん。朝に水やりをしてもお湯のようになってしまうため、気温の落ち着く夕方にやる工夫も。これからの天候で生育が順調になることを祈るばかりです。

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水の子会、大竹さんご夫妻

気候変動により、今までのやり方が通用しなくなってきている昨今、生産者の日々の試行錯誤、栽培・出荷に至る苦労が見受けられ、改めてありがたみを感じる訪問となりました。

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