伝統野菜「合黒ねぎ」を守る
~大地と自然の恵み(高知県)~
昨年12月中旬、高知県香美市香北町の生産団体「大地と自然の恵み」を訪問しました。
高知の三大米どころの一つでもあるこの地域。物部川流域は全国有数の多雨地域としても知られています。らでぃっしゅぼーやでは主に、にら、葉ねぎの多くを頼っています。
「在来種の野菜を増やしていきたいね」
そう話すのは代表の小田々さん。
食料自給率低下への危機感から、国内で完結できる食糧の供給体制をつくっておかなければならないと危機感をつのらせます。種の多くを輸入に頼る日本の野菜は、有事の際の自給力に疑問が残るからです。

「大地と自然の恵み」代表の小田々さん
在来種とは、特定の地域に昔から生えている、もしくは自家採取を繰り返すなど、地域の風土や気候などに適応した固有の品種。いわゆる”伝統野菜”です。
らでぃっしゅぼーやでは、大地と自然の恵みが栽培する在来種の葉ねぎ「合黒(あいぐろ)ねぎ」を取り扱っています。

在来種「合黒ねぎ」
いつから存在していたかは不明ですが、現在67歳の小田々さんが物心ついたころには地域で作られており、近所のスーパーで他の葉ねぎと区別されて売られていたそうです。
種採りでなく、成長した合黒ねぎから株を「分けつ」したものを、小田々さんが途切れないように大切に増やしてきたもので、30年以上栽培を続けています。合黒ねぎの作付面積の3割は、次回作にあてます。

分けつした株を定植してしばらく経った合黒ねぎ
気温上昇の影響で、昨年から夏場の栽培を諦めざるをえない状況になっていますが、購入した種で栽培した葉ねぎが枯れてしまうなか、合黒ねぎは成長こそはしないものの、枯れることなく夏を越すことができています。
「在来種の底力をみた」と小田々さんは言います。
生で食べると辛みが強烈で薬味にぴったり。加熱すると辛みがなくなり甘みが強く。すき焼きや親子丼にもぴったりの葉ねぎです。
小田々さんだけが栽培するさつまいもの在来種も!
今回の訪問では、さつまいもの在来種も紹介してくれました。合黒ねぎ同様、小田々さんが物心ついたころから近所で栽培されていたもの。

ねっとりした食感とあっさりした甘みが特徴の「仙頭いも」
現在は小田々さんだけが栽培しているといいます。品種名は不明で「仙頭いも」と命名。
近々めぐる野菜箱でお届けしたいと思いますので、お楽しみに!
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