桃の蜜症、増加中
体温を超える様な気温が当たり前になってきている夏、とにかく水分補給など熱中症対策を怠らないよう気を付けたいところです。さて、山梨の甲府盆地では桃の出荷の最盛期を迎えていますが、桃の「蜜症」が多くなっています。
雨が少ないこともあり、桃自体の糖度は上がり果実に蜜が入ります。これがりんごならおいしい蜜となりますが、桃の場合は果肉が茶色く変色してしまい、傷みや果肉障害となります。
また高温が続くと桃の色づきの進みが止まってしまいます。らでぃっしゅぼーやでは、なるべく樹上で完熟に近い状態まで見極めて収穫してもらっていますが、この「樹上完熟」の見極めが非常に難しくなります。甘くはならないが果肉だけやわらかくなるという事象も発生します。桃は真夏の果物であり、比較的暑さには強い方だと思いますが、近年はさすがに厳しくなってきています。そんななかで、品種開発をする側も気候変動に強い品種の育成に注力するなど、当然力を入れています。
これから山梨では大ぶりな中生~晩生品種の桃(川中島白桃、一宮白桃、幸茜など)が出荷のピークを迎えます。大変な状況は続きますが、少しでもおいしい桃をお客さまにお届けしたく、生産者も文字通り大量の汗をかいて頑張っています。その苦労をねぎらいつつ、冷やしたジューシーな桃を食べて夏を乗り切っていきましょう。