らでぃっしゅぼーや

今週の畑だより

らでぃっしゅぼーや農産担当による
畑の"今"を届ける産地密着コラム

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「梅の実がない…」暖冬、雹、カメムシ被害
~今年の梅のお届けについて~

梅雨の少し鬱々とする時季に、夏に向けて仕込む梅ジュースや梅干し。そんな季節を楽しむ梅しごとを毎年の楽しみにしている方も多いかと思います。らでぃっしゅぼーやでもたくさんの注文をいただき、5月中旬からお届けが始まる計画でした。

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しかし今年の梅は非常に作柄が悪く、収穫量が大幅に減り、らでぃっしゅぼーやに限らず全国的に大きな影響が出ています。

らでぃっしゅぼーやでは5月4週にお届け予定だった「奈良の小梅」は全て欠品となってしまいました。梅しごと用のセットも一部延期させていただいています。楽しみにされていたお客様には、ご迷惑をお掛けして申し訳ありませんでした。

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奈良の小梅(梅干用)は全量欠品となってしまいました

らでぃっしゅぼーやでお届けしている梅は、5月は主に宮崎県産、6月に入ると奈良県、三重県、和歌山県に移り変わっていきます。今年は全国的に開花が異常に早く、平年より1~2週間前倒しで咲きました。

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花が咲いた時は、花の数も多く一見問題無さそうに見えましたが、開花後の天気が悪く気温も不安定でした。梅は自分で受粉できないので、蜂に花粉を運んでもらう必要がありますが、早すぎる開花と気温の不安定さで蜂の活動が活発にならず、受粉がうまくできなかったようです。気が付くと産地では「梅の実が全然無い…」という状況になってしまいました。

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花粉を運ぶ重要な役割を担うミツバチ

さらに3~4月には、奈良県、三重県、和歌山県の一部地域で雹(ひょう)が降りました。せっかくできた実に傷がついたり、弱った実が落果してしまったりと、追い打ちをかけます。

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雹被害でカサブタができた梅

また、今年はカメムシの大量発生もニュースになっています。5月28日時点で全国30の自治体で果樹カメムシ類の注意報が出されています(※1)。カメムシの梅への影響は大きく、梅の実を吸うことにより梅が落果する被害が出ています。

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奈良産直センターのカメムシ被害で落果した梅

宮崎県、和歌山県、奈良県は壊滅的な状況ですが、三重県にある王隠堂農園の御浜天地(みはまてんち)農場は、不作傾向ではあるものの他地域よりは比較的被害が少ない状況です。

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三重県の御浜天地農場

今年はこの御浜天地からどれだけ出荷できるかにかかっており、何とかご注文いただいた分をお届けしたいと思っています。

ただし、通常より雹害の傷やカサブタ状の実が多くなりそうです。見栄えは悪いですが梅酒や梅ジュース、梅干しを漬けるには問題ありませんので、ご理解いただけますと幸いです。

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左側はお届け不可、右側はお届けさせていただく梅。実際はより詳細な基準を設定し、選別してお届けしています

今年も異常気象の影響は梅以外にも及びそうですが、今できる対策をひとつひとつ行っていくしかありません。今後も状況を見守りつつ、可能な限り対応していきます。

※1) 出典:令和6年の果樹カメムシ類の注意報の発表状況(農林水産省) (2024年5月28日に利用)

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