りんごのお届け量について
~果物つきめぐる野菜箱をご利用のお客様へ~
2月よりお届けできるりんごの量が変わります
今回は心苦しいご案内です。
2025年2月1週のお届け分より、これまで2個お届けしていたりんごが1個でのお届けとなります。
※りんごをお届けする場合は、これまで通りほかの果物と組み合わせて2種類でお届けすることは変わりません。
急激な価格高騰の背景
りんごの市場価格はここ数年で急激に上昇しています。
価格高騰の理由のひとつは、気候変動による収穫量不足です。畑だよりでも繰り返し伝えてきましたが、夏の酷暑等、異常気象が与える作物への影響、特に「果樹」への影響は大きく、りんごは2年連続で大不作です。
らでぃっしゅぼーやでは、不作のなかでも少しでも多くお届けするために、キズや形など外観の基準をゆるめるなど、今まで以上に「見た目より中身を重視」して検品を強化しながらお届けしています。
もうひとつの理由は輸出量の増加です。
国内のりんご収穫量の過半数を占める青森県は輸出に力を入れており、ますます国内での流通量は減り価格が高騰。この流れは今年に限らず今後続いていくものと思われます。
こだわりの栽培を維持していくために
「めぐる野菜箱」は、このような市場の価格変動に左右されず一定価格で利用できることが魅力のひとつです。生産者にとっても、年間契約で未来の収穫分の価格と量を約束されていることが、安心につながる仕組みです。しかし今回のような急激な市況変化が起きた場合、生産者にとっては、一般市場や、いっそ海外へ販売したほうが高値で売れるという状況になってしまいます。
野菜もですが、果物においては特に農薬や化学肥料を減らして栽培することは非常に難しく、果樹のように長い年月をかけて育てるものはなおさらです。こだわりの栽培を継続してきた生産者の想いにこたえるために、また持続可能な栽培を続けるために、今回の変更に至りました。何卒ご理解いただけますと幸いです。
りんご生産者よりお客様へメッセージ
お客様へのメッセージをいただきました。産地で実際にどんなことが起きているかが伝わってきます。少し長いですが、お読みいただき、ご意見やご感想をお送りいただければ大変ありがたいです。
~津軽産直組合(青森県) 代表 斉藤篤寿さん~
『大雪や猛暑など異常気象の影響を受け、りんごに色々な障害が発生し栽培 が難しくなってきています 。
今年度 も生産量が平均2割〜3割減 、青森県全体の生産者も高齢化問題などを抱えて約400世帯がりんご農家を辞めていく状況にあります。
なおかつ青森県では海外輸出に力を入れており、さらに企業が農家から直接高値で買い取り輸出しているため、県内の市場にもりんごが入らず、 慣行栽培のりんごの方が価格が高く、こだわりを持った生産者に還元出来ない状態に追い込まれております 。
資材や人件費の高騰も追い打ちをかけており 、らでぃっしゅぼー やに助けをお願いした次第です。
私たちには若い後継者が多く、次につながる持続可能な農業を目指す義務もあります。今がよければという考えは なく、将来を考え少しでも消費者や農家にお返しし、共に良い関係性が出来ればと強い思いを持ち栽培しています。
今の状況をご理解頂けましたら幸いです。』
~新農業研究会(青森県)今井正一さん~
『2024年も、ふじを中心に収穫量が激減しました。
原因は「マメコバチ」が昨年の高温でサナギが死滅し、りんごの開花時期に飛ばなかったために受粉がうまくいかず、更に干ばつで樹が衰弱して受精しにくく、着果数が減り、大幅な減収となりました。
りんご農家もりんご作りをして、人並みの収入を得て魅力的でなければ誰もやらなくなります。
若い世代の就農率が低下し現役世代が高齢化して、年々放任園が増加している現実があります。団塊の世代が80歳台になる2030年頃から一気にリタイヤする人が増加するといわれます。後継者のいない農家では離農する人が増加するのは必然です。
一昨年、昨年と極端な不作に見舞われて市場価格が急騰。近年の物価高騰から派生した肥料、農薬、資材等の値上がりに石油類の値上がりから電気料金、運賃、賃金の値上がりと経費がかさみ、経営が継続できなくなる事態です。
農家だけでなく「新農業研究会」としても維持できなくなる事態です。農家生産者に納得できる再生産単価を提示しなければ納得してくれません。
何卒ご配慮のほどお願いいたします。』
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